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第二章「プレイヤー」 (リンク小説)

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第二章 

 

ふふふ…
 
 
ダメな子ね、ちゃんとトドメを刺さなきゃ
 
 
たったひと突きで殺せる程上手くなったとでも思うようになったのかしらね
 
 
まだまだアマちゃんなのにね 
 
 
こうやって…バラバラになるまで切り裂かないとね 

 

 
 
~惑星モトゥブ クバラ・シティ~
 
「なるほど…こいつが…」
 
彼女の端末に表示された写真の人物
 
それは 
 
ジローという、ビーストの青年だった
 
生まれた街もも育ちも違えど、同じモトゥブ生まれということでガーディアンズ入隊当初から彼と意気投合をしていた
 
つい先日失踪者リストに目を通していた時に見つけた彼と久々の再会
 
だが、容態は錯乱状態
 
一体彼の身に何があったのか 
 
先ほどまで渋っていた彼女の想いは一瞬にして固まった
 
「わかった、すぐに向かう」
 
その目には一切の曇りがなかった 
 
たとえ、その先に過酷な運命が待っていようとも
 
『すまない、恩に着る』
 
レオは通信機越しに頭を下げた
 
転送先の彼女の端末にはその表情は写っていなかったが、彼の表情はいつになく真剣だった
 
 
 
時を間も無くして 
 
~ガーディアンズ・コロニー本部 尋問室~
 
「レオ!!!」
 
物凄い勢いで部屋のドアを開けたオルガ
 
入ってすぐ彼女の視界に入ったのは隔離された部屋で、椅子に座り、うつむいてるジローの姿だった
 
その直後…
 
「予想以上に早いな」
 
いきなり背後から声をかけられ彼女は思わずビクッと体をすくめてしまった
 
普段見せない彼女の様子を見てレオは笑わずにはいられなかった
 
「っはっはっは、何も驚くことはないだろう。俺はずっとここで待っていたんだぞ」
 
だが、その表情はすぐに真剣な物へと変わった
 
「…さて、あれがジローで間違いないな?一応確認してくれ」
 
尋問用のガラス張りの部屋の中でうつむいているジローを指差した
 
いつもと違った雰囲気ではあるが、彼女にはどう見てもジロー以外には有り得ないと確信していた
 
「ずっと、あんな感じなのかい?」
 
普段は少々荒っぽい振る舞いではあるが、優しさと明るさを持っている彼があれ程にまで気力を感じられないのは初めて見る光景だったため、流石に心配せずにはいられなかった
 
「あぁ、見ての通り今はすっかり意気消沈だよ…さっきまでは情緒不安定で急に、ここから出せだの帰してくれだの、派手に暴れてくれたけどな」
 
予想以上に症状は酷いようだった 
 
一体彼の身に何があったのか、一刻も早く確認せざるを得ないようだ
 
「無いとも言い切れないけど、もしかして敵…じゃないよな」
 
何者かがジローに変装、もしくは洗脳を施して自身に襲い掛かって来るかもしれない
 
そんな思いが脳裏をよぎった
 
「わからない…だが万が一という事もある、慎重にな…」
 
本来ならばレオだけで尋問を続けていても良いのだが、レオはジローとの繋がりは全くと言っていいほど無かった
 
そこで知り合いである彼女が召集されたのだが、女性とだけあって、流石にレオも不安の表情を隠せずにいた
 
「ふん…もし奴が敵で、襲い掛かってこようものなら、ジャック・ザ・リッパーが再び降臨するだけさ」
 
彼の心配をよそに、彼女はニヤリとした表情で応えた
 
そんな彼女のジャック・ザ・リッパーの一言にレオは黙りながらも、険しい表情で彼女を見つめた
 
クバラ・シティの悪夢を再来させるわけにはいかないのだ…
 
そんなレオの威圧感に流石の彼女も圧倒された
 
「…わ、わかってるよ…私はシルバーリング・オルガ、シルバリオ…冗談で言っただけだよ」
 
頬をポリポリと掻きながら苦笑いで返した
 
「わかればよろしい」
 
洒落にならない彼女の冗談故に、彼は険しい表情を緩めることはなかった
 
そして、隔離部屋のドアへと手をかけ
 
「それじゃ、何があったのか、搾り出してくるよ」
 
笑顔で明るく振舞い、レオにこれ以上心配をかけないようにした
 
だが、内心では物凄く不安でいた
 
それはジローの事でもあるが、何かこの事件には大きな何かが動いているのではという恐怖感から来ていた
 
「では、頼んだぞ。俺は他の部署を手伝ってくる」
 
そう言いつつも、彼女の事が心配で少しの間、様子を見ることにした
 
そして、オルガが隔離部屋ゆっくりとに入り
 
「ジロー…?」
 
と、恐る恐る一声かけた
 
ゆっくりと顔を上げるジロー
 
と、その瞬間、先ほどまで虚ろな目をしていた彼の目が急に一変
 
いきなり彼女へと飛び掛ってきた
 
「うおおおおおおおおおおお!!!」
 
それと同時に部屋を去ろうとしていたレオも異変に気づいた 
 
「…っ!」 
 
「…!オルガ!!!」
 
 
 

 
~続く~

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