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夢か幻か(リンク小説)

世界は一つしか無いものだと

 

 

私は思っていた…

 

 

今ここにいる世界こそが

 

 

現実だと信じていた…

 

 

だけど、現実と理想は違った

 

 

私は知ってしまった…  

 

知らされてしまったのだ

 

 

この世界が偽りの世界、作られた世界であることに… 

 

~某日ガーディアンズ・コロニー宿舎~

この日はどことなく取り巻く空気が違うようにも思えた…

「ん、んん~…あ~…んだよ…もう朝か…」

いつものように気だるく起きる私

「お目覚めですか、オルガ様。随分と眠られてましたね」

いつものようにパートナーマシナリーであるサニーの対応

けど、何かが違う気がしていた

「ん?…そんなに寝ていたんだ…ふぁぁ~…今何時?」

寝ぼけ眼を擦り、大あくびをしながら現在の時間を聞いてみた

「現在午前10時13分です。かれこれ8時間弱の睡眠時間でしたね」

淡々とした口調でありながらも笑顔で答えてくれた

いつもこんな感じで若干無愛想にも思えるが、慣れてくると可愛いものだ

「8時間も寝てたのかぁ…どうりで節々が少し痛むわけね…」

ベッドからゆっくり体を起こし、体の調子を窺ってみた

どうやら前日の作戦が深夜まで長引いてしまっていたことと、寝すぎによる

疲労のようだった

「大丈夫ですか?かなり無理をなさられてたとお伺いしましたが…」

こうやって心配してくれるから、多少の疲れも気休めではあるけど、癒されるもんなんだよね

「…すー…ふぅ…なぁに、いつものことさ…皆頑張ってるんだ、私だけ手を抜くわけにもいかないよ」

おもむろに寝起きの煙草を吸い、うつむきながら答えた

「煙草は体に悪いのでお辞めになって下さい。何度言っても聞かないんですから…」

頬をぷくっと膨らませ、私を叱った

だが、これもいつものことだった

あぁやって怒っている姿もなんか可愛いんだよね

まるで自分の娘とでも話してるようにも思えてきた

「まぁ、そう言うなよ…こいつぁ私にとって癒しのひと時なんだからさ…」

こうやっていつものように軽くあしらって朝の一服を済ました

「そういえばオルガ様、先週依頼していた武器のカスタマイズが完了したと、チューニング店からメールが入ってますよ。御覧になりますか?」

そう言いながらも私が答える前に携帯端末を私に差し出した

「ありがとう…どれどれ…」

 

送信者:ルーク・ボイド

件名:悪いな、遅くなっちまった

よう、オルガ

待たせちまったな。何度も微調整やテストをしてようやく完成したぜ

流石に時間をかけただけあって俺としては完璧な出来だ

いつでもいいから取りに来てくれよな

しっかし、なんでこんな旧式タイプの武器のカスタマイズなんかするんだ?

リアクター出力が不安定なお蔭で苦労したぜ

普通にGRM製の物でよかったんじゃないのか?

まぁ、お前に何か考えがあっての依頼だとはわかるんだけどな

っと、そんなことはどうでもいいか

じゃ、待ってるぜ!

 

「ようやく完成したかぁ…ったく待たせやがって」

口ぶりは悪いものの表情は嬉しそうだった

「一体どんな依頼をされたのですか?」

今回の件についてサニーにも話してないのだった

それほど個人的に秘密裏に作りたい武器だったのだ

「まぁ、見てのお・た・の・し・みってやつだな」

満面の笑みで答えながら、ナノトランサーを起動し、普段着へと着替えた

「早速行くということは、そんなに待ちわびていたんですね」

状況を知らないとはいえ、彼女にとっても主人の笑顔は嬉しいようでサニーもまた笑顔だった

「よし、それじゃっ受け取りに行ってくるから留守番頼むよ」

サニーの頭を軽く撫でて部屋を後にした

ガーディアンズ・コロニー2F クバラチューニング店

その店の中にはルークの姿は無く、若い青年が1人いるだけだった

「いらっしゃい!オルガさん 例の物の受け取りですね?」

この明るく振舞うヒューマンの青年の名はハンス

歳はオルガと大差ないが、この店での勤務暦は既に4年になる

「よぅハンス、ボイドはいないのかい?」

軽く挨拶を交わし、辺りを見渡しながらルークを探した

「主任なら奥で動作の再度テストをしているとこですよ」

(メールの内容と違うじゃないか…)

「なんだよ、まだ終わってないのか?話が違うぞ…」

やれやれといった様子で落胆するオルガ

その直後

「おぅ、オルガじゃないか、えらく今日は早く来たんだな

今、動作のチェックしてたとこだ 念のために確認しておきたかったんでな」

店の奥から現れたルークの手には柄が通常のセイバーの2倍ほどはある旧式セイバーを持っていた

「テストなんて私が直々に後でやるんだからいいじゃないかぁ」

眉間にしわを寄せ、そのセイバーを手に取ってみた

「いやぁ、それがなぁ、やっぱ旧式だけあって出力が不安定なんだよ

それで、今微調整してたってわけだ んで、ようやくブレ幅の少ない範囲が見つかって

ほぼ100%の力を発揮できる段階にしておいたんだよ」

オルガの依頼したチューニングは旧式のセイバー

クレアセイバーだった

柄は丁度2本分あり、フォトン放出スイッチも2つある

「リアクターに関しては完全に丸投げしちゃったから、正直できるとは思わなかったよ

よく出来たなぁ?」

その質問に対し、ハンスが答えた

「実はリアクターは僕が担当したんです

2本のセイバーを使っているのでリアクター共有なのは変わらないんですが

片方だけ出力させた時と、ドッキングした時、分割した時

それぞれ出力量にリミッターをかけておいたんです」

少し自慢げに鼻を擦るハンス

「なるほどなぁ…こりゃ早速使ってみたいねぇ」

説明を聞いて気分が高揚したのか、今すぐにでも起動させてみたくてウズウズしてる様子のオルガ

「よし、ならいつものVRルームでテストしてみるか」

ルークが刺した方向は店の奥、この奥に中規模のVRルームがあるのだ

主に武器のチューニング後のテストなどに使うのだが

一部のガーディアンズに訓練用として提供しているらしい

強化ガラスで囲まれた無機質な装置

これがVR(ヴァーチャルリアリティー)装置

「さぁて、オルガ テストに使う訓練レベルはどうする?」

隔離された別室からマイクを使い彼女に問いかけた

「はん、そんなの任せるよ なんでも来いってんだ」

自身に満ちた表情で装置の中央に立ち、答えた

「そうか、ならば秘蔵の訓練メニューを出すか」

なにやら不適な笑みを浮かべつつ、ルークは手元のキーボードを打った

その様子に慌てて反応するハンス

「主任!アレを使うつもりですか!?アレは危険ですって!」

慌てふためく表情の奥にどこか恐怖さえ見えていた

だが、そんなハンスの様子を見ても落ち着き払っているルーク

「まぁ、慌てんな あいつならエクストラレベルも容易くクリアするさ」

やや無責任ともとれるその言葉にハンスも流石に怒りをぶつけた

「そんな…何を根拠に!」

それでも尚、ルークは落ち着いた様子だった

「根拠は…ない…だが、あいつは数々の修羅場を潜り抜けてきたんだ

必ずやり遂げると俺は信じてる…」

ルークの言葉に怒りを通り越して呆れた様子のハンス

「そんな…もしものことがあったら…」

彼らのやり取りがマイクから漏れてるにも関わらず、オルガは瞑想をし

精神集中をしていた

そして…

「おい、まだか?こっちは準備万端だよ!」

瞑想を終えた彼女の様子は一段と凛々しくなっていた

「おぅ、悪いな、じゃあ始めるぞ!」

準備自体は終わっていて、後は最後にプログラム起動のためのエンターを押すだけだった

『システム…オルグリーン…VRトレーニング起動します』

装置からアナウンスが流れると同時に装置内に閃光が走り、彼女の辺りには擬似フィールドが形成された

「ここは…コロニーの地下通路か…」

擬似フィールドとはいえ、再現度は高く本物と寸分違わない物だった

よく出来てるなと関心しつつ辺りを見回した

だが、地下通路とだけあって数メートル先は闇一色だった

「フフフ…」

深淵の闇からどこか聞き覚えるのある声がした

「この声は…まさか…」

そう、あの時私は奴と戦った

そして

一瞬で消し去ったことを覚えている

少しずつ奴の姿が闇の奥深くから見えてきた

「やはり、お前か…」 

 

 

~続く~

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