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パラレルストーリー

再びパラレルストーリーなるものを書いてみました

詳細はイーさんの記事にて

 

運命とは繰り返す物…

それは水面に出来る清らかな波紋のようでもあり、歪んだ螺旋のようにもなる…

その運命の中に彼らは何を見出したのか…

 

~モトゥブ荒野~

1人の少年が荒野にある簡素な墓場にたたずんでいた

とても立派な墓とは言えず、2つの木材を交差させ、十字架のようにしてある物が地面に刺されているだけだった

その墓はゆうに30を超す数だった

「こんな簡素な墓ですまないね…。でも、これで安らかに眠ってもらえると俺も助かるよ

同じガーディアンズに殺されて相当悔しいかもしれないけど…」

ギンは多数の墓に対して謝罪するかのように呟いた

そしてこの時、彼は空気の流れがかすかに変わったのを感じた

普通ならば何事もないかのように見過ごす物だが、この時ばかりは生命の危機を感じた

「来る…!」

とっさに地面に伏せるギン

その直後

ザン!

と、音を立て、1本の刃物が墓に刺さった

「こ、これは…!」

見上げるとそこには見覚えのある刃物があった…

数年前、死闘を繰り広げた彼女の物

ソウルイーター

「クハハ…惜しかったなぁ、避けなければ楽になれたものを」

聞き覚えのある声に反応し、振り返るとそこに彼女はいた

「オルガ…何故ここに再び来た…」

彼女の姿を見ると同時にあの時の記憶、感情が蘇った

無数の遺体の山…狂気の一撃…

「久しぶりの再会だというのに、つれない奴だなぁ…」

どこか彼女の様子がおかしかった

口調もそうなのだが、振る舞いも以前とは大きく違った

そして何より目の色が違ったのだ

以前のような淡い蒼目ではなく真紅の色に変わっていたのだ

「んまぁいい…早速始めようじゃないか…随分と久々の大物だからなぁ

は飢えてるんだよ」

挨拶などどうでもいいらしくオルガは戦闘態勢へとすぐさま移行した

だが、ギンは戦うことよりも気になる事があった

「ちょっと待った…お前…誰だ!」

回りくどい質問はせず、率直に彼女に質問した

「クハハ…何を言ってるんだ…俺だよ、俺…」

次第に彼女の声が二重のものになっていった

それは本来の彼女の声と、聞き覚えの無い男性のものとだった

「答えになってない!お前誰だよ!」

彼女…いや、彼の言っていることが全くわからずギンは再び問い詰めた

「…ったく、鈍感な糞ガキだな

じゃあ、こう言えばいいか?この女が持っているだと」

予想もしていなかった答えが返ってきた

武器自体に意思があるなんて…

そして、それが彼女と融合してるとは…

「な、なんだと…!?」

あまりの驚きにそれ以上の言葉が出ないギン

それをよそに彼は続けた

「応答ついでだ、この俺の姿も見せてやろう」

そう言うと彼はあの時のように首筋に刃をさっと通らせた

少しずつ流れ出る血は刃に吸われ、どす黒いオーラを増幅させていった

だが、この時ギンはある異変に気が付いた

(左目だけが元の青い色に!?)

その目はどこか悲しみと苦痛に耐えてるようにも見えた

ギンは思った

もしかしたら自分の問いかけに反応するかも…と

「オルガ!俺だよ!ギンだよ!…俺のことがわかるならもうこんなことはやめようよ!」

だが、現実はそう甘くなかった

「ちぃ…下がれ…!」

彼が小さな声で囁き、彼女の表面化を抑え込んだのだ

そうして間もなく、彼女の左目は再び真紅の色へと変わっていった…

「あぁ…なんてことを!」

折角の問いかけにも応じられることはなく彼の暴走は進行していくのであった

「ククク…力が満ちてきたぞ」

血を吸うごとに鎌のオーラは増し、次第にオルガの体さえ包むようになっていった

流石にこのままやらせるのはまずいと思ったギン

「させるかよ!」

勢いに身を任せ、彼の復活を阻止しようとするが

オーラに手が触れた途端…

「痛ぅ…!」

手に激痛が走ったのだ

「クハハ!無駄だ!このオーラをまともに浴びれば命はないぞ!

クハハ!クハハハハ!」

自らの復活を確信した彼は何もすることが出来ないギンを見て高らかに笑った

その時、ギンは壮絶な光景を目の当たりにした

鎌の放つオーラにオルガの身が包まれていく最中、もがき苦しむ、本来の彼女の姿があった

「あ”ぁ”ぁ”ぁ”!いやぁぁぁぁぁぁ!」

手に持っている鎌を投げ捨てようと必死に振るのだが、彼の意思によって手放すことが出来ず、ただ虚しく空を切るだけだった

まさに最後の抵抗とも思える行動だった

「クハハ!無駄だ!その体…俺に委ねよ!」

「やめろ!彼女を解放しろ!」

オーラにより近づくことの出来ないギンは必死に訴えかけることしか出来なかった

「クハハ!もう遅いわ!…まぁ、もとよりこいつを手放す気は無いがなぁ」

間もなくして、オーラは彼女の体を完全に包み、オルガの悲痛な叫びも聞こえなくなった

それと同時にオーラが凝縮を始め、次第に人の形へと変わっていった

「くぅ…くそう!なんてことだ!」

苦しむ彼女に何もすることが出来なかったギンは絶望した

だが、その直後、絶望よりも背筋が凍るような感覚を覚えるほどの恐怖を感じた

そして、凝縮していたオーラが突如大きな風圧を巻き起こしながら散布した

ビュオォォォォォ

「く…な、なんだ…!」

風圧により巻き起こる砂埃に目がやられないよう腕でかばいつつも、復活を遂げてしまった彼の姿を見ようと様子を窺った

放出される黒いオーラが次第に晴れていき、彼の姿がようやく見え始めた

ぼろきれで出来た真紅のローブ、そして全身にオーラを纏い表情すら窺うことが出来ない禍々しい姿

まさに死神を思わせる容姿だった

「ククク…待たせたな、これが俺の本当の姿だ」

発言をするごとにその口からもオーラを放出している

彼の負の力は絶大なもののようだ

「それが…ソウルイーターの本当の姿…」

その恐ろしい姿にギンは後ずさりする程だった

「おっと、自己紹介が遅れたな…俺の名は

キリーク

以前の宿主の姿の時は黒い猟犬という異名で呼ばれていたなぁ…クハハ」

幾度と宿主を変えてきた彼はいくつもの異名を持っているようだ

「ソウルイーターが名前じゃないのか…?」

「ソウルイーターはあくまでも仮の姿の時だ

前にも聞いただろう…ソウルバニッシュの名も」

以前彼女が振るっていたソウルイーター…あれはあくまでも仮の姿

宿主の力に任せた覚醒前の状態

そして、本性を現した今はほぼ100%の力を出せるというわけなのだ

「しかし…この体は馴染むなぁ…クク、実にいい!この俺のために生まれたと言ってもいい!」

キリークにとってオルガの体は相性がいいらしく100%…いや、それ以上の力を出せるらしい

「なんてこった…」

戦う前から勝機を喪失した気になったギン

最早戦う意思すら見せなかった

だが…

「俺は楽しみたいんだ…そんなやる気の無い奴を殺しても面白くない

あの時にように見せろよ…ツミキリとやらを!」

勝利を確信していたキリークは余裕な表情でギンに本気での戦闘を要求した

「………」

彼の要求に対して、ただひたすらにうつむくギン

だが、彼も諦めてしまったわけではなかった

「…いいだろう…今度こそ決着をつけよう…」

「クハハ!その意気だ!さぁ…見せろ!今一度!」

そしてギンは2本の刀を鞘から抜き、精神を研ぎ澄まし始めた

「はぁぁぁぁぁぁぁ…!2つに分かたれた刃よ、罪深き者のために今こそ真の姿を現せ!」

以前よりも激しい光を放つ刀

彼もまた強くなったのだ

「ほぅ…以前より力をつけてきたか…だが、そうでなくちゃなぁ…クク…クハハハハ!」

刃の輝きが頂点に達した時

「これが…ツミキリの姿だ!」

2本の刀を重ね合わせ、1つの太刀と化した

彼の身の丈を軽く超すその太刀はこの時を待ちわびたと言わんばかりに悲しげな光を刀身いっぱいに帯びていた

「ククク…この感じ…この感じだ!さぁ…いくぞ!」

荒野一帯に伝わる程の殺気にギンもすかさず身構えた

身構えたと同時にキリークは地面を滑降するかのように急接近した

その速さは風の如き速さだった

一瞬にしてギンの目の前に現れ、その鎌を振りかざした

だが、その一撃はどう見ても隙だらけの攻撃だった

「甘すぎるんだよ!」

キリークの一撃を掻い潜り、彼の顔面目掛けて太刀を振った

そして彼の額から血が滴り落ちた

だが、彼は至って余裕な表情だった

「ククク…何か忘れてないか?」

両手を大きく広げ何やら意味深な言葉を投げかけた

「何が言いたい?」

彼の問いを全く理解できなかったギンは質問で返した

「おやおやおやぁ、薄情なやつだぁ…

この俺の体のすぐ下にはあの女の体があることを忘れていないか?」

うかつだった

完全に覆われてしまい、彼女の体は失われたものだと思い込んでいた

そう、彼の額から流れたと思われた血は彼女の物だった…

「じゃ…じゃあ、今のは…」

ふと思い出し慌てふためるギン

「そうだ、これは俺の血じゃない…あの女の血だ

つまり、俺を斬れば女が死ぬ…だが、俺を斬らねばお前が死ぬ…

お前を殺すこと…お前に殺されること…どちらも同じなのだよ

ククク…これほど無意味なゲームはないだろう

だが、俺は信じてるぞ…最期のその時まで、お前は抗ってくれるとな!クハハ!」

ギンは絶対に勝つことの出来ない闘いを強いられていた

だが、彼も大人しくやられるわけにはいかなかった

「無意味かもしれない、だけど、何もしないでやられるわけにはいかないんだよ!」

反撃に転じるが彼を斬れば彼女の肉体までも切り裂いてしまう事実を知ってしまい

どうしても斬ることができなかった

「ククク、どうした?斬れよ!クハハ!」

余裕の笑みを浮かべながらギンの攻撃を受け止めるキリーク

その死闘は20分にもおよんだ 

 

 

「はぁはぁ…」

長時間の戦闘により、ギンの体力は最早限界だった

「どうした?もう終わりか?

…つまらん…少々名残惜しいが、これで終わりにしてやろう」

そう言い放つとキリークは妙な構えを取り、舞いながら鎌を振り、無数の斬撃を繰り出した

体力の限界を迎えていたギンは防ぐのでいっぱいだった

そして、戦局は大きく傾くことになる…

ギンの持つ太刀にヒビが入ったのだ

「ツミキリが…折れる!?」

「クハハ!どうやらその武器の方も限界のようだな!…そぉらぁぁ!」

鎌を大きく振りかぶり真っ直ぐギンに目掛けて振り下ろした

バキィィィィ!!!

そして、ツミキリは大きな金切り音をあげ、砕け散った

「ツミキリが!」

その折れた刀身からは遥か昔から葬られた罪人らの魂が飛散していった

その直後、ツミキリは眩い光を放ち始めた

「な、なんだ!?」

口を揃えて驚愕する二人

なんと、折れた刀身の下には更にもう一本の刀身が眠っていたのだ

「こ、これは…なんだ!?」

所持者であるギンでさえ知らなかった隠されたもう一つの刀

「馬鹿な!俺は今まで鞘に見立てた刀身と戦っていたのか!?

強度的にもありえない!…ありえない!!

あんな、なまくら刀ごときにぃぃぃぃぃ!!」

そう、キリークが相手をしていたのは鞘の役割を果たしていた擬似の刀身だったのだ

そして、新たに現れたその刀はオロチアギトと呼ばれていた伝説の刀

驚きを隠せなかったキリークだが、勝機を未だ持っていた

切り札である彼女の肉体がある限り、彼には負けはないのだ

「は、はん!そんな一気に短くなった刀で何が出来る!

それに俺にはこいつの体がある…よって、俺には負けの二文字は無いのだ!」

勝利を焦った彼は未知なる刀の性能を調べることも無く、ギンに再度攻撃を仕掛けた

だが

その攻撃は軽く受け止められてしまった

渾身の一撃であるのにも関わらず…

「ば、馬鹿な!何故だ!何故お前はそんなに軽々しく受け止められる!?

俺は全力で振り下ろしたのに、何故お前は力を入れず受け止められるんだ!?」

そう、ギンは全く力を入れずに彼の一撃を受け止めたのだ

いや、力を入れる暇が無かったという方が妥当であろう

「お、俺の頭の中に誰かが直接語りかけてくる…誰なんだ…」

清き心を持つ少年よ…悪しき血を討ち滅ぼせ…

我が名はオロチアギト…呪われし一族によって作られた妖刀なり

我が役割は闇を斬ること…肉体を滅ぼすのではなく

悪しき心を斬ることだ

とある名工によって作られた刀、オロチアギトを鍛え上げた鍛冶師の想いがギンに伝えられた

その刀鍛冶の想いを現すように、刀身は更に眩く輝いた

「忌まわしい光だ!消えろ!」

そう言うとキリークは鎌を大きく横になぎ払い、オーラの塊を刃から放出した

だが、ギンは避ける素振りを見せず、その重力球を断とうとした

「悪しき心を討つ…こうか!」

狙いを重力球、そしてキリークに定め、ギンは集中し刀を振るった

その剣先からは一つの剣閃が放たれた

剣閃は重力球をかき消し、そのままキリークの元へと向かっていった

「…な!」

身構えるのが精一杯だった彼は自らの命ともいえる鎌で受け止めた

だが、剣閃の威力は凄まじく鎌の柄は手から離れてしまった

「しま…!」

鎌が手放されたことにより、キリークの体と、オルガの体は再び分かれたのだった

そして、剣閃を受け止めたことで鎌の柄にヒビが入ってしまったのだ

そのヒビを補修するかのように黒いオーラが吸い込まれていった

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!こ、この俺が…消える…消えてしまう…こ、これは面倒なことに…

なっ…た…」

辺りは再び静寂に包まれた

「か…勝った…のか?」

思わぬ一撃を繰り出し、その一撃でキリークを退いたことに未だ勝利をギンは実感できていなかった

だが、ふと我に返ったギンはオルガの安否が気がかりだった

慌てて倒れている彼女のもとへ駆け寄った

「オルガ!…い、いや…姉さん!大丈夫かい!?目を開けてくれよ!」

斬ってしまった額から流れ出た血を拭い、彼女に必死に訴えかけた

その声に少々遅れながらもオルガは目を覚ました

「こ、ここは…?私は…生きてるの…?」

「よかった…生きてるんだよ…!生きてるんだよ!姉さん!」

力なく起き上がったもののオルガの生存を知った嬉しさのあまり彼女に抱きつくギン

だが、彼女からは思いがけない言葉が放たれた

「ギン…あんたには苦労かけちまったね…」

まるで何もかも知っているかのような様子のオルガ

「え…どういうこと…なのさ?」

予想だにしていなかった発言にまたも戸惑うギン

そんな彼の様子も気にせず彼女は続けた

「鎌に魅せられている間、私は意識や記憶がなかったわけじゃないんだ…

今までの行動は全て私自身の意思で行われていたんだ…」

彼女の言葉に対して半信半疑だったがギンの心の底から怒りが込みあがり、

その怒りをぶつけた

「どういうことだよ!それじゃ、今まで殺してきたガーディアンズの仲間達もあんたの意思だったって言うのかよ!?」

その言葉を真摯に受け止め、うつむきながらも彼女はこう言った

「ここに至るまでの話をギンに教えよう…少し言い訳にも聞こえるかもしれないけどね…

数年前、あの作戦を目処に私は姿を消しただろう?その直後ある男からこの鎌を受け取ったんだよ…そしてその鎌を手にし、更に力をつけるために修行していたんだが、私の心に少しずつ、何かが芽生えていったんだ…

その声の主はキリーク…そう彼だ…

私も最初は全て拒絶した…だが、私は折れてしまったんだ…

修行に疲れ、一人であることに疲れ、そして昼夜問わず語りかけてくる彼の声に耐えられなかったんだ…

結果…私は彼の意思に従った

そして私は彼らを殺したんだよ

こみ上げる自らの破壊衝動に身を任せてね…」

つまりはキリークにたぶらかされたわけであるのだが、行動に移したのは彼女の意思そのものだったというわけなのだ

その話をギンは全く信じようとしなかった

「嘘だ!そうやってまた罪を無理やり背負おうとしてるだけなんだろう!?

姉さんはいつだってそうだ!自分だけの責任じゃないのに…いつも自分だけの責任だと言って全て自分の罪にする!

今回も…今回もそうなんだろう!?」

彼の問いかけに応えようとしないオルガ

「何か言ってくれよ!黙っているってことは、やっぱりそうなんだろう!?」

沈黙を貫いていた彼女だったが、その言葉に反応し否定した

「いや…今回は本当だよ…彼らを殺したのも、ギンを殺そうとしたのも

私自身の意志だよ…」

怒りを通り越し、悲しみの感情に達したギンは涙を流しながら首を横に振り、彼女の言葉を信じようとしなかった

「もう信じてくれなくてもいい

私はここで人生の幕を閉じることで罪を洗い流そうと思う…

死を持ってしても罪滅ぼしになるとは思えないけどね…今はこれしか思いつかないのさ…」

ゆっくりと立ち上がり、夕焼け色に染まった空を仰いだ

そのまま数分の時が流れ、彼女は意を決した

「さぁ…ギン

私を斬って!

ギンも流石に予想していたのか、驚くことはなかった

だが、当然ながらも彼はそこまではしたくなかった

「…出来ないよ…」

ただ、その一言しか出てこなかった

「私はいつまでも罪人でありたくないんだ…

さぁ、斬って…そして背負いすぎた罪から私を解放して…」

オルガもその意思を折ろうとしなかった

そしてギンはある事に気づき、刀を手にした

刀を手に持ったことを確認したオルガは覚悟を決め、涙を流しながら彼に感謝した

「ありがとう…これで私も救われる…」

だが、その後のギンの行動は彼女の予想を裏切るものだった

「やっぱり死んで罪を償うなんておかしいよ…生きて償ってこそ罪滅ぼしなんじゃないのかい?…そして悪いのは…こいつだ!

ギンは刀を頭上高く振り上げ、そして一気に振り下ろした…

だが、それはオルガではなく、ソウルイーターにだった

ガシャァァァン!

まるでガラスが割れるような音をあげ、塵のように跡形も無く鎌は砕け散った

ギンの言葉と行動に冷静さを取り戻したオルガは自らの選択の過ちに気づいた

「ギン…」

だが、それ以上の言葉は出て来なかった

間もなくして、どこからともなく彼の声がした…

そう、キリークの声が…

クハハ…これで勝ったと思うなよ…

俺は何度でも蘇る

この世に悪しき心を植え込み、増大させるほんの僅かな隙間がある限り…

その言葉を最後に、彼の言葉は聞こえなくなった

「何度でも蘇る…か…」

彼の言葉にただうつむくだけのオルガ

また自分のような被害者を出してしまうのかと思うと気が滅入ってしまったようだ

そんな彼女の姿を見てギンは

「大丈夫、また奴が現れたら切り伏せるだけさ

だけど、今度は俺一人じゃない…姉さんと一緒に…奴を討つんだ!

何度でも!」

励ますかのように生涯キリークに立ち向かう決意を表したギン

その言葉にオルガも少々元気を取り戻した

「そうだね…あいつに立ち向かうことが、私の最大の罪滅ぼしかもしれないね…

その旅…私もついて行くよ…一生ね」

そして、彼らはいつ、どこに現れるかもわからないキリークに立ち向かうため

新たな旅、新たな人生を歩み始めたのだった…

キリークの暴走に立ち向かうために一生を捧げた彼らはこの後、誰の目につくことはなかった…

~Fin~

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